HELLO CYCLING~シェアサイクルの最高到達点~

 ソフトバンク傘下のOpenStreet社が運営するHELLO CYCLINGは、ドコモ・バイクシェアと並ぶ自転車シェアリングの二大巨頭。東京都心はドコモだらけですが、その周縁部、千葉やさいたま、川崎といったところを見ると、実に多くの都市にHELLO CYCLINGのポートが存在しています。また北は盛岡から南は沖縄まで全国200都市以上に展開しており、日本最大級のシェアサイクルといって間違いないでしょう。

マップを開けば各所ポートで埋め尽くされているのがわかります

多彩な決済手段とシンプルな料金体系

 HELLO CYCLINGも支払いは原則クレジットカード。ただ、Yahoo!ウォレットが使えたりキャリア決済も大手3社とも対応していたりと決済方法の幅は広めです

 小豆島、埼玉県川越市、沖縄本島、長野県松本市においてはHELLO CARDというものが発売されており、決められた販売窓口でカードを購入し、裏面の番号をアカウントに入力すると指定額利用できるようになるそう。これは観光地での1日パスの役割を果たしているようです。

 また、これらに加えてHELLOマイルというシステムも導入されています。マイルといっても距離に応じて勝手に加算されるわけではなく、事前にチャージすることで1マイル=1円として支払いに充当できるものです。
 チャージはWebMoneyやBitCashというサービスを用います。これは、コンビニなんかでカードを購入し裏面の番号を打ち込むと額面が入金されるというもの。間接的にはなりますが、現金でも利用可能なわけです(※利用方法など詳細はコチラのサイトへ)。このチャージ手段は今後さらに拡充していく予定とのことで、将来的にSuicaなんかからチャージできたら真に誰でも利用できるようになるのになぁと思います。

 さらにソフトバンク系列ということでPayPayも利用できます(HELLOマイル経由と直接支払いの2通りの方法が可能)。


70円/15分・1000円/12時間の場合

 料金は15分単位の基本料金12時間or24時間ごとの上限額の2つで構成されており、あらかじめ料金プランを選択することなく自動的に上限額が適用されます。なお、上限時間を過ぎた場合は再び15分ごとの料金が加算されていき、2度目の上限額(上限額×2)を迎えると2度目の上限時間まで加算がストップされます。

 月額プランもありますが、2019年3月に千葉市で試験導入したのち、同年10月より松本市限定で提供されているだけでメジャーな存在ではありません(松本市の場合は月額1000円で最初の30分が何度でも無料)。

利用の流れ

 利用方法については別記事で事細かに書き散らしているのでそちらも見てほしいのですが、基本的には貸出予約→開錠(利用開始)→(返却予約→)返却という流れになっています。

 事前の予約で暗証番号を取得し、自転車に取り付けられている操作パネルに入力して開錠するのはドコモ・バイクシェアと同じ。暗証番号入力の代わりに登録したICカードのタッチで開錠することもできますが、ICカードの登録はレンタル中でないとできません

 2019年8月末からは、あらかじめアプリからおおよそのバッテリー残量を確認できるようになりました。

 HELLO CYCLINGでは原則としてラック数を越えて返却することはできません。ドコモ・バイクシェアなどとは違ってポートから自転車が無尽蔵にあふれ出ていくことがなく、放置自転車対策に頭を抱える自治体へのウケもいいようです(自治体がシェアサイクルの協働事業者を募集する際、ラック数以上返却できないようにするという条件を設ける場合もしばしば)。

 とはいえ、行ってみたのに目当てのポートが満車で別のポートまで行かされた、となっては本末転倒です。これを防ぐため、2018年7月ごろより返却予約という制度が導入され、30分間に限りあらかじめ返却するラックを確保できるようになりました

利用中の自転車が一時駐輪されたりしていると自転車が溢れることも。とはいえドコモ・バイクシェアほどにはなりません。

独自ブランドでの展開も相互利用OK!

 HELLO CYCLINGの大きな特徴として、さまざまな企業が加盟し、役割を分担してサービスを運営している点が挙げられます。今でこそ全国各地でサービスを運営しているOpenStreet社ですが、当初はシステム運営のみを担い、実際に車両・ポートを管理し運営するのはコインパーク傘下の(株)シェアリングサービスに任せていました。

 これら加盟企業は独自にブランド名を持つこともでき、静岡の「PULCLE」や沖縄の「CYCY」など各地域でブランド化が進められています。一都三県を中心に展開する「ダイチャリ」に至ってはHELLO CYCLINGの半分以上を占めており、こちらがサービス名として認知されているほどです。

 車種の多彩さもまたHELLO CYCLINGの大きな特徴の一つでしょう。HELLO CYCLINGはスマートロックと操作パネルさえ取り付けられればどのような自転車でも導入できるため、電動アシストのママチャリだけでなく非アシスト車にスポーツ自転車、一時期はトライクなんて変わり種も存在しました。


 これだけ様々なブランドや車種が存在していても、HELLO CYCLINGは原則として全国どこで借りてどこで返してもOKエリアを跨いだ利用も特に問題ありません。一都三県や京阪神はもちろんのこと、三島・沼津⇔静岡といった少々離れたエリア同士でも自転車の流出入がみられます。

静岡市内のPULCLEポートに停められていたハレノヒサイクル(三島・沼津エリア)の自転車(一番手前の小径車)

 ラストワンマイルから長距離のサイクリングまで幅広く対応できるHELLO CYCLINGは、おそらく現在国内で展開されているなかで最も優れた自転車シェアリングサービスと言えるでしょう。今後ますます広がっていくことを願っています。

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