名もなきバス

京成バスのほぼすべての路線には系統番号が付されており、ターミナルを表す文字と個別番号によって、おおよその路線把握ができるようになっています。ところが、幕張新都心にはこのスタイルの系統番号がない路線がありました。

その路線とは海浜幕張駅〜ZOZOマリンスタジアム間を走る100円バス。時刻表上でも「100円」とだけ呼ばれています。
イオンモールに代表されるように、海浜幕張駅周囲約1キロの区間は現金払いに限り運賃100円となっており、同区間内をポケットバスで運行する路線を100円バスと称したわけです。以前はハイテク通りを循環する系統もあったようなのですが、ベイタウン線のハイテク循環に取って代わられたのか廃止されており、海浜幕張駅〜ZOZOマリンスタジアムの系統のみが残っていました。
今回、新都心回遊線(ポケットバス)が大規模なダイヤ改正を行うこととなり、そのどさくさに紛れて100円系統も廃止されることとなったのです。


せっかくなら最終便に乗ってみようとZOZOマリンスタジアムへ。
ダイヤ改正当日が土曜日なので最終運行日は前の週の日曜なのですが、ただでさえバスの廃止は地味なのに、さらに陰をひそめるような最期です。

海浜幕張駅へのポケットバスにはたしかに系統番号が付けられていません。

時刻表にも「100円」の文字。それにしても土休日朝に一往復だけとは何ともやる気のない路線です。

さらに、なんと同時刻には幕01系統も設定されており、いよいよ人を乗せる気がありません。本当になんで残ってるんだ…。

ちなみにこちらが改正後の時刻表。100円バスが廃止されているのもそうですが、京成幕張へ向かう海53の時刻も変わっています。改正前は夕方で曲がりなりにも利用できそうな感じでしたが、お昼に設定されてしまうといよいよ利用価値がなくなります。(マリンスタジアム行きに至っては9時台の設定です!)海浜幕張駅~ZOZOマリンスタジアムには幕01が頻発しているので免許を維持する必要もないはずですし、どうしてこんな路線を残すのでしょうかね…。

海浜幕張駅からバスがやってきました。

表示が気になるところでしたが、なんと「100円」表記!どおりで時刻表にも「100円」と書かれているわけです。

誤乗車を防ぐためか幕01発車後に到着。もう1分ほど遅れていますが、特に問題はなさそうです。
もちろん私しか乗りません。

沿線は幕01が頻発する代わり映えのない道ですが、それでもポンチョからの眺めはちょっと新鮮です。

途中での乗降があるはずもなく、すぐに終点に着いてしまいました。

しばらく回送表示で留め置かれていたので、どうするのだろうと思っていたら10分ほどして海52の表示に。せっかくならZOZOマリンスタジアムの発車を10分ばかり遅らせて海53にしておけば、いくぶん利用価値が上がると思うのですが…。

以前より存在感のない路線でしたが、実際乗車してみて本当に存在価値がないことを実感しました。ある意味では歴史の生き証人であった100円バス。今まで残っていてくれたことに感謝です。


運行:京成バス
系統:100円ポケットバス
区間:ZOZOマリンスタジアム~海浜幕張駅
本数:土休日のみ1往復
※情報は2018年4月乗車当時のものです※

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