「旅人」に乗車してきました!

太宰府から電車に乗ると、二日市の乗り換えは挟みますが福岡の中心である天神に向かうことができます。しかしながら、観光客の多くは新幹線で博多駅、あるいは飛行機で福岡空港にやってくるわけで、いくら天神〜博多〜福岡空港が地下鉄で結ばれているとは言っても少々アクセスに難があります。そこで、西鉄では太宰府から福岡空港・博多駅に直行するバスを走らせることにしました。太宰府ライナーバス「旅人」です。

天神駅からの観光列車も「旅人」、こちらのバスも「旅人」ということで紛らわしいこと限りないように思えますが、鉄道とバスならさすがに誤乗は発生しないでしょうし、むしろ天神、博多、福岡空港のいずれからも「旅人」に乗れば太宰府に行けるというのは「わかりやすい」案内を実現できていると言えるのかもしれません。

始発の太宰府駅に向かっていると、目の前で1本逃してしまいました。西工96MCの高速仕様車であった上に、次のバスまで30分もあるのでこれはなんとも惜しい…。
仕方なく駅前の乗り場に向かいます。

なんと、すでに10人以上が並んでいました。積み残しが出ているとはかなりの人気路線のようです(しかも訪問当日は平日ですし)。

博多駅からのバスがやってきました。あちらも満員のようです。

ちなみにこのデザインはフラワーアーティストのニコライ・バーグマン氏によるもの。純粋に目を惹きます。

ようやく乗車。列は60人余りに膨らんでおり、今便も積み残し必至でしょう。

車内に入ってみると補助席がないことに気が付きました。高速車両では補助席のために乗降に時間がかかってしまうことが多いので、定員がいくらか減ってしまうとはいえ、これはいい考えです。
早々に席は埋まりいよいよ発車…と運転士から衝撃の一言が。

「立ち席でもいいのでご乗車の方いらっしゃいませんか?」

補助席のない設計は乗客が乗り降りしやすいようにする工夫などではありませんでした。補助席を設けるより立たせた方が詰めこめるという判断からでした。高速車両の通路に人が立ち並ぶという見たこともない光景に思考は完全にフリーズ。これ高速路線だよね…?立ち席なんて大丈夫なの…?

びっしり人が並んだ通路。補助席がないのがわかるかと思います。
ギャグかな??

14:13:39 結局、座っている乗客と合わせて59人が乗車。運転士は「手すりにお掴まりください」とだけ言ってバスを発車させました。
14:19:34 太宰府市役所着。通路に乗客がひしめき合っていてよくわかりませんが、ICカードのタッチ音が2回鳴ったので2人乗車したのでしょう
14:21:07 大宰府政庁跡通過。

御笠川を渡ると、なにやら高架道路に入りました。嫌な予感が…。

案の定というか水城料金所から高速道路に入りました。立ち席での高速道路走行など法律に反しないのか不安だったのですが、調べてみると水城料金所から先は福岡都市高速の路線であり、法定速度60キロながら立ち席でも高速道路での走行が可能とのこと。要するに福岡市街でよく見られる高速道路を走る路線バスの一種なわけです。

福岡空港が目前に迫ってくるとともに、渋滞で動きが鈍くなってきました。飛行機に間に合うか多少不安は残りますが、離着陸の様子を至近で見られるのはなかなか贅沢です。

14:53:** 福岡空港国際線ターミナル着。4人乗車。
地下鉄が滑走路を挟んで向かいの国内線ターミナル側に駅を設けているために、博多駅至近ながら陸の孤島と化している福岡空港国際線ターミナル。「旅人」運行開始の背景には博多駅と国際線ターミナルを結んでアクセスをよくしたいという思いがあるのかもしれません。もっとも、太宰府行きは博多駅〜国際線ターミナルのみの利用はできませんが。

博多と太宰府を結ぶというのはありそうでなかったことで今まで実行していなかったことが不思議なくらいですが、なんといっても乗客の多さに比べて本数が足りていません。なにせ、立ち席利用を認めながら10人以上積み残しを発生させているわけですから。土休日は日中12分間隔という地方私鉄顔負けの本数を走らせていますし、平日日中もせめて15-20分間隔で走らせてほしいところです。
運行開始時の平日・土休日ともに14往復からダイヤ改正の旅に本数を増している太宰府ライナーバス「旅人」。いま一度、平日の大量増発を強く望みます。


運行:西鉄バス二日市・西鉄バス宗像
路線:太宰府ライナーバス「旅人」
区間:太宰府駅~福岡空港国際線ターミナル~博多駅バスターミナル
本数:平日30分間隔/土休日12分間隔
※情報は2018年1月乗車当時のものです※

コメント

タイトルとURLをコピーしました