モノレール延伸の影響はなにもモノレール沿線だけにとどまるわけではありません。交通再編という名で良い意味でも悪い意味でも、もっと広範囲にもたらされます。2号線が建設された際にも並行するバスを中心に路線再編がなされました。
では、1号線を延伸した場合、どのようなバス再編ができるでしょうか?千葉駅に乗り入れるバス路線を多少なりとも減らせ、わかりやすいバスターミナル形成に寄与できるでしょうか?
千葉駅から千葉大学病院・青葉病院の方へ向かったその先には大宮台団地が存在します。千葉都市モノレールの当初計画でも重要と目された当地へのアクセスをモノレールが担うことになれば(千葉大学病院までモノレールで、そこからバスに乗り換え)、モノレールの利用状況はかなり好転するでしょう。
今回は、千葉中央バスの川戸線に乗車し、大宮団地と千葉駅を結ぶ需要がどれほどあるのか調査してみました。
県庁バス停から乗車します。ここまでに乗車し、川戸バス停以遠で下車する人は1号線延伸時に利用者となりうる人です。
時刻表では10:55の発車ですが、すでに遅れているらしくやってきたのは11:00でした。千葉大学病院でモノレールに乗り継ぐことで、モノレールの高い定時性を生かせるでしょうか?
1人乗車し、車内は16人に。ここからどれだけ大宮台まで残ってくれるか楽しみです。
11:03の柏戸病院でも1人乗車。ここから大網街道沿いにちょっと峠越えです。
先日散策した千葉寺付近を駆け抜けます。
11:07 ハーモニープラザ着。2人下車,1人乗車。
11:09 千葉寺東着。1人下車。
11:10 公園前着。2人乗車。
高速道路を越えると仁戸名地区に入っていきます。どうやらこのバスの主目的地はこのあたりだったらしく…
11:13 松ヶ丘着。3人下車,1人乗車。
11:15 星久喜台着。4人下車。
11:16 仁戸名局着。1人下車,1人乗車。
11:17 仁戸名坂上着。2人下車。
11:19 千葉東病院着。1人下車。
11:20 ジェイコー千葉病院着。1人下車,1人乗車。
11:21 千葉県がんセンター着。4人下車,4人乗車。
後半の病院区間では降車だけでなく乗車も多く、残っている7人のうち当初から乗っているのは2人だけになってしまいました。もし万が一モノレールが大宮団地まで延伸されるようなことがあったとしても、この路線を廃止することは適当でないでしょう。
がんセンターを出るとバスは左折し、川戸方面へ向かいます。が、これが狭いのなんの。1.5車線道路で曲がり角に差し掛かると対向車線を止めないと曲がれないような狭隘な道です。
細い道を急いで駆け抜け、バスは右折。
11:28 川戸着。1人下車し、私も下車しました。
バス停を見てみると、何やらテープで隠されている箇所があります。
テープの下にはそれぞれ「ちばシティバス」「(東)」と書かれているようです(なぜか英語表記を消すのを忘れていますね笑)。
これは、ちばシティバスと千葉中央バスが共同運行していた千葉大学病院〜大宮団地の路線の痕跡です。バス停名が川戸(東)となっていたのは、少し西にちばシティバスの川戸バス停が存在するため。大宮団地から青葉病院、千葉大学病院へ直通できる路線でしたが、1年ほどで廃止されています。
千葉〜大宮団地の直通利用の少なさ、千葉大学病院〜大宮団地のバスが1年余りで廃止されたことからして、モノレールがこの路線の代替を行なうことは難しいでしょう。ただし、前者に関しては仁戸名へ迂回する川戸線ではなく、北大宮台線や千城局線の方が利用者が多いことが考えられますので、このあたりは追加調査が必要かもしれません。
運行:千葉中央バス
路線:川戸線
区間:千葉駅~仁戸名局~川戸~大宮団地
本数:毎時2本
※情報は2017年7月乗車当時のものです※
コメント
都市再生の将来構想はただの現在の消費動向や交通の稼働率だけで、構想してはいけません。
都市の開発が湾岸地域に集中する傾向があり、近年では、津波や液状化現象により脆弱な面を露呈している事は日本全国に影響しています。
災害に強い都市を再生するためには、標高の高い、地盤の安定した、古代から、人々の生活の営みがある。地域を選択する事が必須です。その地域に都市交通インフラを整備する事、人工密度の転換を図る事が需要です。