小坪井林用軌道 第一次探索【その1】

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 千葉県に唯一存在した森林鉄道。それは他の森林鉄道とは一味も二味も違うらしい。そんな話を聞いて、私はすぐ行くことを決意。同好の士と合同調査隊を結成し、探索してきました。

(探索日:2017/2/2)


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 カピーナ号に乗って君津ふるさと物産館までやってきた我々。こんなに山奥なのにまだ8:30とは早起きした甲斐がありました。早く来たのを無駄にしないためにも早速田代林道を上流方向に歩いていきます。

 一瞬吊橋かと思った謎の構造物。野猿(日本版ロープウェイ)のようですが、探索とは関係ないのでスルーします。

 ヨッキさんのレポートにもあった、銘板が手書きの橋。道はあっているということが再確認できて一安心。そしてこんなものまで。

 この廃軌道が国有林森林鉄道であることを示す証拠。それにしてもこんなにボロボロになっているのはちょっと残念です。別にここまでは廃道化されていないわけですし。

我々を捕獲するための罠(などと
<09:00>

 トロッコの走っていた谷(この田代川沿いも走っていた可能性が大らしいですが…)へショートカットするための橋が見えてきました。

なかなかの急勾配ですね

 柵で塞がれて自動車が入らないようになっていますが、横がガラ空きなのでそちらから失礼。立ち入り禁止等の看板がなかったのでなおさらスッと入れます。

 橋を渡ってしばらくすると、謎の広場に行き着き、車道が消えていました。覚悟を決めて登攀を開始します。

さっそく厳しくなってきた。。。

 先に行く前に一個だけお詫びを…。今回の探索ではGPSを装備して、万全の態勢で臨んだつもりだったのですが、あろうことかGPSを入れているスマホを水没させてしまうという大失態…。これから出てくる現在地表示は、あくまでも推定地であることをご理解ください。

 いよいよ谷がヤバくなってきました…。振り返って撮影していますが、落ちたらひとたまりもなさそうです。房総の谷は一枚スラブが多く、しかもその上に落ち葉が連なっているとあれば滑りやすさもバツグンです。

どうにかこうにかこれを登りきって…

登攀成功! 

 少し休憩して、今度は谷を下って行きます。先ほどはけっこうエゲツない斜面を登ってきましたが、今度は意外と傾斜が緩やかです。

 途中で別の谷と合流し、水が流れるようになりました。傾斜は先ほどとあまり変わりませんが、足元が滑りやすいので要注意です。
 って…

ビール瓶あるんですけど!!

しかも大日本麦酒なんですけど!!

 大日本麦酒とは戦前のビール最大手です。国内シェア7割というとんでもない売り上げを記録していた同社ですが、財閥解体の流れで1949年に現在のサッポロビールやアサヒビールに連なる会社に分割されています。すなわち、これは戦前のシロモノ!
 ヨッキさんも二回目の探索の際に大日本麦酒の瓶を発見していますが、ヨッキさんが見つけたのは底だけのカケラ。対してこちらは完全体ですから、我々はなかなかの発見をしてしまったのではないでしょうか?

さらに…

ビール缶も発見!

 見てみると、キリンビールのものでした。しかもプルタブが外れるタイプのものですから、1990年以前の物です。帰ってから調べるとキリンが缶ビールを発売したのは1955年とのこと。小坪井軌道の廃止は1956年のことなので、軌道廃止後にもなんらかの人の出入りがあったことを思わせます。
 それにしてもなぜこんな急峻な谷まで来たのでしょうか…?しかも複数の年代のものがあるということは、継続して訪れる場所があったということです。パッと思いつくのは植林地ですが、辺りの木はそんな風には見えません。

 いくつかの疑問を残したまま酒盛り場(?)を離れます。傾斜が急になってきたということは、小坪井沢の本流への合流地点が近づいてきているということでしょうか。と、何やらそれらしき谷が…。

さて、ここはどこだ?

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