小坪井林用軌道 第三次探索【その3】

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(探索日:2017/12/20)

<13:10>

支谷は入ってすぐのところでさらに二股に分かれています。これがホントの上総三又…
ひとまず規模の大きそうな右の谷から攻めることにしました。

さっそく孔発見!

さらには思わせぶりな平場まで。ただ、さすがにこれは堆積によるものでしょう。先ほどまでの路盤面に比べて低すぎますし、なによりもっと高い位置に橋脚孔が残っています。

これは…どっちなんだろ…。

田代川本流を振り返ってみます。自然に軌道がこの谷へアプローチされているような印象を受けますね。

両岸がそそり立っていても孔は続きます。支谷に入った時点で覚悟はしていましたが、ここから先は小坪井沢と同じ立ち回りが要求されるようです。

また木が刺さったままです。田代川流域では小坪井沢より十数年も軌道の廃止が早かったはずですが、なぜこんなに木が残っているのでしょうか?本流なら流量の多さを指摘できますが、ここまで来れば小坪井沢と状況は変わりません。

激しい蛇行のおかげで一瞬だけですが路盤が作られています。

ナメ滝が現れてもまた孔。この軌道に終点なんて考えないんじゃないか…?

見た目には軌道が通っていたなど到底思えないんですがね…。

ここに来て初めての大規模なビーバーダム。

もちろん軌道はここも越えていたわけですが…。

陶器のフタも落ちていました。やはり上流に生産拠点があるようです。

この先にはどんな孔が待ってるんだ?

いやこれ孔というより罠!!

この穴はおそらく奥のナメ滝がまだ普通の滝だった頃の滝壺なのでしょう。当然長靴では水没してしまいますので横を迂回します。

支谷がさらに分岐するポイントまでやってきました。これまでの経験からして、ここまで来ると軌道かはともかくとしてどの谷にも桟橋孔が見られるでしょう。そこで、最後の孔を見てから2分以内に次の孔を見つけられなければ撤退、という条件でなるべくすべて(さすがに登れないような急谷を探索する気にはなれません…)の谷を探索してみることにしました。

孔が二段になっている…!?
<13:28>

さらに分岐が現れたのでここも右を選択。いよいよ軌道の雰囲気ではありませんが…。

<13:31>

この地点で最初の谷を断念。

<13:35>

左の谷にも入りましたが、孔を見つけることはできず、先ほどの2段になった孔が最後に見た孔となりました。

もう1つ前の分岐まで戻って残った左の谷へ。すると…

ものすごい数の孔!!
こんなに連続的な桟橋孔は小坪井沢でもみたことがありません。田代支線恐るべし…。

ここまで狭い間隔で孔を開ける必要はあったんでしょうか…?

もちろん普通の孔も多数存在します。

またマシンガンのような孔たちが…。

さすがにこの谷には立ち入りませんでした。軌道まで人が運んでいたものと思います。

合流する支谷もどんどん急峻になっていき、終点の空気が流れ始めたとき…

炭焼き窯だ!

<13:50>

ビーバーダムをかわそうと右岸の堆積地に登ると、炭焼き窯の跡を発見しました(下流を向いて撮影しています)。炭焼き窯は小坪井沢でも見かけていますが、こちらの窯はかなり小さい谷にもかかわらず小坪井沢のものと遜色ない規模です。

窯のそばに小さい穴を発見したので、もしやと思い落ち葉を払ってみると、窯の側面にも穴が開いているのを確認できました。

小さな穴を上からフラッシュ撮影。初めて見た設備ですが、おそらく窯の煙突穴ではないでしょうか?

ビーバーダムをかわした先にはまた孔。とは言ってもここが終点である可能性も考えられます。

孔から上流方向。地形図で見ると支谷が2本も流れ込んでくるところに位置しているので、ここが終点の可能性は十分に考えられます。

孔から下流方向。右手の小丘上に炭焼き窯があります。製造した炭を高低差を利用してトロッコに放り込む、そんな光景が目に浮かんできます。

まだ三又で分岐するもう1つの谷に向かっていないこともあり、この地点が終点だと擬定して戻ることにしました。

帰りも孔のウォータースライダー状態です。

<14:06>

上総三又支谷の入口に戻ってきました。さてここからは左の谷の探索となるのですが…

先ほどの谷での発見が大きかったこともあって我々のなかにはこの谷はもう調べなくていいのではないか、という空気が流れていました。孔の出てくるペースも右の谷のどの支谷よりもゆっくりでしたし、右の谷ではほとんど現れなかったビーバーダムが小規模ながらちらほら。そして…

<14:10>

この地点で撤退を決意しました。探索の気力が失せていた我々はこの手前の支谷を調べることすら省略。今考えれば一応確認しておけば良かったのですが、探索時は痕跡の出そうにない沢歩きにいよいよ嫌気のピークを迎えていたのです。
ただし、支谷が分岐する手前で孔は発見している(以下写真)ので、この谷にもなんらかの運材通路はあったのだと思います。

<14:14>

少しばかり心残りを持ちつつ支谷の入口に帰還。あとは田代川を下って帰るだけです。あ、行きの宿題解決しなきゃ…

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