小坪井林用軌道 第四次探索【番外編】ぜんぜんふれあってくれないふれあいの道

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<11:57>

ズサーーー

最後の斜面を滑り下り、田代林道に到達しました。下りているときはこんなところどうやって上り下りするんだよ…と思っていましたが、写真を見返してみると案外いけそう…。

先ほど尾根上でも見たヒメコマツ。なんとか生き延びてほしいものですが…。

さて、ここからのルートは2パターン考えられます。

 1つは素直に田代林道を下り、適当なところで田代川に下りるパターン。田代川最上流部から探索できるので全線踏破を目的とする我々にはちょうどいいように思えますが、当初予定より時間が押してきているなか、無理に全線踏破を目指せば帰りのバスに間に合わない可能性が出てきます。
 そこで、我々は第二の案としていったん田代林道の終点まですすみ、関東ふれあいの道を南下してアプローチすることにしました。我々に田代川源流部の隧道の存在を教えてくれたスー氏はこの道へ脱出してきており、谷へ下りるのも比較的容易と考えたのです。しかも、スー氏によれば脱出地点周辺は比較的大規模な杉の植林地となっており、終点として目されるところでもありますから、全線踏破の夢も叶います。

ヒメコマツに別れを告げ、東進します。

廃道然としていますが、大規模な崩壊もなく快適な道。先ほどの尾根道が死にそうだっただけにもはや息抜きとさえ思えました。

終点に着きました。ここを右手に向かえば降下予定地点です。

え、階段なんですか…。

反対側は田代林道の続きのような道が続いているだけにガッカリさも倍増します。

しかもすぐ下るのかよ…。

田代林道を進んでいれば車道らしく斜面をトラバースしていたはずで、早くも誤った選択をしてしまったのではないかという思いに駆られました。

先ほども見たような尾根道。

さすがに案内はしっかりしていますが、それ以外は道なき道を歩いていた先ほどと変わりありません。

いや、こっちの方がひどいかも…。
階段の土留めが崩れて、あたかもそれが階段面であるようになっていました。擬木の土留めは非常に滑りやすく、疲れた私たちの足に襲いかかってきます。

特に細まった尾根には柵が設けられていますが、片側だけですし、柵自体が崩壊に飲み込まれはじめていて到底信用できるものではありません。こんなんだったらさっきの方がよっぽどマシだよ…。

もちろん、一歩踏み外せば死が待っています。

20分ほどかかってようやく元清澄山の山頂にたどり着きました。元清澄山の名前は以前この地に清澄寺があったことに由来するそうで、当時は参拝者たちが整備もされていない山道を命懸けでやって来ていたのでしょう。清澄寺は移転してしまいましたがこの山の求心力は健在で、山頂では多くのご隠居さんたちが思い思いに休憩を取っていました。ちょうどお昼時ではありましたが、先は長いですし、軽装の我々はいささか浮いてしまっている感が否めないので先に進みます。

元清澄山をすぎても道の様子は一向に変わらず、ついには…

<12:51>

く、鎖!?

なんと鎖場まで現れてしまいました。「足元注意」とかいうレベルじゃないよ…。

 鎖を手繰りながら慎重に下りていきましたが、後日調べてみると、ここについては鎖を使わずとも普通に登れるというのがハイカーの皆さまの見立てらしく、自分たちの力量のなさと先入観の恐ろしさを痛感することとなりました。そういえば道中我々よりも軽装の男性を見かけたような…。

 というわけで、関東ふれあいの道という名に、子供でも楽しめるような遊歩道のようなものを想像していた我々の期待は完全に裏切られてしまいました。もはや登山道と言っていいレベルです。
 この関東ふれあいの道では日帰り利用もできるように10キロ前後ごとに区間を分けて、鉄道・バスなどのアクセスルートを確保しています。今回歩いた区間は千葉県22番目の区間、モミ・ツガの道に属するのですが、実はここ、13.5キロも前後アクセスが途絶している上に、標準所要時間も4時間30分と他路線と比べてかなり厳しい区間となっています。その厳しさは県の公式サイトで健脚向きと紹介されるほど。いや、健脚向きとかいうレベルじゃなかったんですが。

ってか…

ここ下りられんのか?

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