小坪井林用軌道 第四次探索【その5】

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(探索日:2018/01/21)

<14:07>

我々の前に突如として現れた隧道。いままで見てきた中でもっとも短いように思えます。

ここで、いつもの通り隧道のデータをまとめておきます。

黒塚隧道(仮称)東坑口
(→ヅウタ隧道,→田代隧道,→節貫隧道)施工年:不明(戦前?)
材質:地岩
工法:手掘り
全長:推定値・約10m
断面形式:不明(不定)
迫石・迫持:無
要石・
笠石:手掘りなので無し扁額類:帯石・パラペット(胸壁)・ピラスター(壁柱・控壁):手掘りなので無しウイング(翼壁):無インバート(仰拱):不明所属・管轄:旧東京営林局千葉営林署※記録なし使用終了年:不明

残りの行程が危ぶまれてきている状況だったのでとっとと通り抜けてしまおうと思ったのですが、三島氏がちょっと待ってくれとリュックサックをゴソゴソ。

???

彼はあろうことかリュックサックの中に小型ガスコンロとヤカンを忍ばせていたのです。ゆるキャン△というアニメに感化されて家の奥から引っ張り出してきたそうですが、この時間のないときに一体何をやっているんだか…。(まあ僕も沸かしたお湯でカップラーメンいただきましたが)

さらには隧道内に流れていた水を採取しティータイム。(三島氏撮影)
彼曰く、こうすることで隧道と一体化できるのだと。(もはやただの変質者だろ

おかげで大量のゴミまで抱えてしまいました。

<15:03>

気付けば1時間も経過していました。行程の完遂はおろか帰還できるかさえ怪しくなってきたので、さすがに先に進むこととします。

進行方向左手には連続した孔。右手は水流にえぐられて跡形も無くなっていますが、当時はそちらにも孔があり、軌道は桟橋をかけて通っていたと考えられます。

前回紹介した2タイプの桟橋のうち、ここでは後者が架かっていたはずです。なにせ、おそらく元は川廻し用として建設されたであろうこの隧道。今も昔も水がよどみなく流れており、前者の方式で桟橋を架けようものならたちまち流されてしまったでしょう。

隧道の外は淀んでいるのか…(泣

マズいことに西側の出口がプールになっていました。慌てて東口に戻り、沢に沿って迂回します。

!?

なんと迂回ルート中にも別のプールが。行く手を完全にふさがれてしまいました。
いや、下のツイートを見ておかしいと思ってはいたのです。隧道前にプールがあっても沢に沿っていけば反対側の坑口に着くはずではないか、と。しかし、このタイミングでの正解発表には絶望させられるよりほかありませんでした。

こうなるともう沢を上って脱出するしかありませんが、人里までは何キロも歩かねばなりませんし、なによりまたあの登山道を歩いていくのは精神がもちません

結局、ロープを持ち合わせていることを思い出し隧道正面のプールを突破することにしましたが、ヒヤヒヤものです。

沢のほうのプール。かなり長さがありますし、見るからに底なし沼の雰囲気を醸し出しています。

振り返れば越えてきて良かったと思えるほどの絶景。小坪井はアメとムチの使い方を心得ています。

ここにも木が埋まっています。そしてらせん状の金属棒も…。なんだこれ?

<15:58>

こんどは見事な切通し。ただ、正直楽しむ余裕はありません。せめて日没までには林道に脱出しないと生命さえ危うい…。

<16:09>

また特大プール…(涙目

ただ実はこれ、スー氏が二つ釜と命名されている切通しで、沢に沿って迂回することができます。

旧河道にはびっしりと杉が植えられています。幸いにも花粉症ではないのですが、今にもくしゃみが出そうです。

さらに、迂回してみると支谷が合流してきたこともあって周囲はなだらかに。すぐ上に林道が来ているようだったので最後の力を振り絞って登ります。

<16:11>

林道脱出!!

試練はつづく…

コメント

  1. ペッカー より:

    中途半端な情報でナチュラルなトラップにはめてしまい申し訳ありませんでした。ちなみに2回目の探索で隧道の上を通るルートを開拓して割と簡単に突破できました(汗)。

    • ばか者 より:

      そのルートは考えもしませんでした…。
      決死の滑落地点より上流部は未探索ですので、そちらを探索するとき挑戦してみようと思います。

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