ゆふいんの森92号【前編】

2017年7月5日,6日に発生した九州北部豪雨は筑後川の支流花月川の氾濫を引き起こし、久大本線の花月川橋梁を流出させました。このため、同線で運行されていた特急ゆふ・ゆふいんの森は全便運休に。しかし湯布院へのフラッグシップ列車が運休となってはマズイということで、JR九州は7月15日からゆふいんの森の運行を再開するとしました。ただ、当然ながら橋梁は流出したまま。そこで、小倉を経由するルートを採ることにしたのです。
既存ダイヤの隙間に無理やり入れ込んだダイヤは運行計画発表時から鉄道ファン内で話題になっていたのですが、実際にはどのようなものだったのでしょうか?乗車してきました。


由布院駅前からは由布岳の頂上がよく見えました。実は、頂上は雲で覆われてしまっていることがほとんどだそうで、なんだか今日はツイているような気がします。

使用車両はキハ71。窓枠のゴールドのラインもあいまって落ち着いた顔です。
とはいえ、この駅にゆふいんの森が入線するのは日常茶飯事。発車まで車内でゆっくりしていようと思ったところ…

足元の乗車案内が付け足されているのに気がつきました。実はこの列車、小倉で方向転換。普段の向きとはまるっきり逆になっているのです。(奥の方に「71 3」と書かれた正規の案内が貼られてますね)

落ち着いて車内の写真を撮ったことがなかったので、ひとまず車内を巡回してみることにします。

3号車
3号車ラウンジスペース
2号車
1号車

しかし発車まで10分ほどあるとはいえ乗客少なすぎやしませんかねぇ…

1号車からの眺め。小倉から先で堪能させていただこうと思います。

テーブルは小さめですが、4人組などで向かい合って使うことを考えれば仕方ない感じも。向かい合わせで利用する際は壁に収納してあるテーブルも利用できます(座席の写真にチラッと写り込んでますね)。


座席に着いてゆっくりしていると由布院を発車。せっかくなので現時点での乗車人数を数えることにします。ただ、ゆふいんの森はビュッフェで物品を販売しており、乗客が座席にいない時もあるのでデータの信憑性はいまひとつですが…(可能な限り何度か訪れて数え直すようにはしています)。

1号車:12人
2号車:1人
ビュッフェ・ラウンジ:9人
3号車:8人
4号車:25人

やはり先頭に乗客が集中していますが、それにしても中間車の少なさは…。普段ならどの号車もほぼ満席なのですが、今日は悠々というか、本当にゆとりある空間が創出されています。ビュッフェはむしろこれくらいの人数がちょうどいいですね(笑)

ビュッフェでドリンクなど購入しているとゆふいんの森93号と交換。どうやらこちらはゆふ3号、あちらはゆふいんの森4号のダイヤを流用しているようです。

南大分でも普通列車と交換し、15:30、大分駅に到着しました。2人下車した代わりに5人乗車してきて、15:35に発車。すぐに別府湾沿いを走ります。

東別府で海から離れ、湯けむり漂う別府市街に入っていくのですが…

「〜別府駅では、およそ50分ほど停まります。発車時間は16:39です。引き続きご乗車のお客様、しばらくお待ちください。〜

「別府駅では、およそ50分ほど停まります。」

「別府駅では、およそ50分ほど停まります。」

ハァ? 

いや、時刻公開時から散々言われてたことですし、それを楽しみに来ているところもあります。にしても50分停車って…。あまりの長さに後続の特急を案内する始末です。
なお、10分ほど停車したところで放送が流れ、停車時間が長いので有人改札に行けば一旦改札外に出してくれるとの旨を述べていました。私は駅前に何もないと思って利用しませんでしたが…。

一方、車内はといえばこんな感じ。

到着した途端11人も下車してしまい(一旦改札外に出る乗客を含む)、私以外には1人しかいなくなってしまいました。というか、さっき大分で乗ってきたグループが下車してる気がするんですが…。
当然のことながら下車客の大半は後続のソニックに流れていきました。

ところで、個人的にはこの別府の50分停車には1つ要望があります。それは、蜃気楼ダイヤを組んでくれないかということです。
蜃気楼ダイヤとは以前リゾートしらかみで設定されていたダイヤで、列車が秋田から青森方面へ向かう途中、深浦から岩館まで一旦引き返すというもの。乗客は途中の停車駅で下車をし、列車が戻ってくるまでの間自由に観光できたのです。
ゆふいんの森でいえば、別府到着後いったん大分へ引き返し、大分で一時下車していた乗客を再び乗せるということ。大分駅はリニューアルで駅ビルが発展していますから乗客は買い物を楽しめるでしょうし、JR九州としても駅ビルのさらなる活性化に繋がるのではないでしょうか。
ゆふいんの森は別府に15:47に着くのですが、大分方面の時刻表を見ると15:50にソニックが通ったあとは16:05の普通まで列車がありません。15:55くらいに大分方面に戻りましょう。大分には16:07ごろ着くはずです。大分駅に着いたら16:39までに別府に戻る必要がありますので、普通のダイヤの間を縫って16:20くらいに再び発車。16:31ごろには別府駅に着くと思われます。

8月にダイヤ改正があり、臨時ゆふいんの森はもう少しマシなダイヤになると思います。別府駅の長時間停車も消えることでしょう(むしろ消えてくれないと困ります)。ただ、もしどうしてもこの長時間停車を維持しなければならないとなった場合には、是非とも蜃気楼ダイヤの設定をお願いしたいところです。 

【後編】につづく

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