石巻から石巻線に乗り、前谷地までやってきました。ここからは気仙沼線の中で唯一鉄道として残っている区間、前谷地〜柳津を乗り通し、気仙沼線BRTで北上していきます。
列車の発車まで少し時間があったので駅前に出てみると、出てすぐのところにこんなものが!
これまで気仙沼線では前谷地〜(鉄道)〜柳津〜(BRT)〜気仙沼と運行していましたが、柳津での乗り換えが不便なことから一部のBRTが前谷地まで直通するようになったのです(柳津〜前谷地はノンストップ)。てっきりBRT前谷地駅はバス停があるくらいだろうと考えていましたが、意外としっかりした乗降場が設置されています。腐っても鉄道なのでしょうか…?(法律的にはバスだったと思いますが…)
ちなみに、この時間帯は鉄道とバスが連続して走っており、柳津で自分が乗り継ぐ予定のBRTは前谷地始発です。BRTに通しで乗るのも心が惹かれましたが、鉄道ファンたるもの鉄道があるところでなぜ鉄道を使わない!と列車に乗ることを選択しました。
柳津といういまいちパッとしない町に行く列車なのに、2両も繋いでいます。運用の都合だとは思うのですが、やはり乗客は数える程度で完全に両数を持て余しています。
9:02、小牛田からの列車が到着したのを見計らって発車。BRTは駅の外に出る必要があるためか一足遅い9:05の発車となっています。
田園風景の中、列車は和渕に到着。もともと少なかった乗客がどんどん降りていきます。列車はほどほどのスピードなので車窓をじっくり眺められますが、このあたりは北上川流域の稲作地帯でどこまで行っても広がっているのは田んぼばかりです。
と、2,3駅行ったあたりで違和感を覚え前の号車に行ってみると(例にもよって2両目に乗車しています)乗客はゼロ。我が2両目も乗客はいないので、完全に貸切状態です。秋田内陸縦貫鉄道の普通列車でも2,3人乗ってたんですが…。
この路線唯一のハイライト、北上川渡河を終えても乗客は来ず、そのまま柳津に到着。当然のように無人駅なので1両目までぼちぼち向かいます。
こんな路線なのにホームが長いなぁと哀愁を感じていると、BRTの発車時刻近くに。急いで外に出るとちょうどBRTが到着したところでした。それにしても、前谷地はかなりしっかりした乗り場が整備されていたのに、こちらはバスロータリーに乗り入れているだけに見えます。いちおうBRTカラーの待合室は整備されていましたが。
ところで、みなさんお気づきでしょうか?今回僕が柳津駅に滞在していたのは約15分。そう、鉄道なら23分しかかからない前谷地〜柳津なのに、BRTは35分もかけているのです!しかもBRTは途中ノンストップにもかかわらず。まあ実際にはBRTが柳津に到着したのは9:36ごろでしたので所要時間の差は10分ほどなのですが、鉄道は高速輸送が可能であることを如実に示しています。
さて、少し戻って前谷地〜柳津の輸送体系について考えてみましょう。
正直言って、現状を維持するなら鉄道は廃止してしまうべきです。BRTが完全に並行しており、しかも鉄道より先に直通しています。鉄道は所要時間面で多少なりとも優位に立っていますが、柳津の乗り換えが不便(跨線橋接続。もちろんエレベーターなどはありません‼︎)なので柳津以遠からの客はほぼ間違いなくBRTに乗り続けます。そして、前谷地〜柳津の各駅は決して鉄道が必要なほどの需要を抱えているわけではありません(朝の通学ラッシュを見ていないので断定はできませんが…)。
ですが、鉄道ファンとしてはやはり残るものは残って欲しい。そこで、第二案を提示したいと思います。それは、柳津の乗り換えを改善し、BRTは石巻に直通させることです。柳津周辺で一番大きな都市といえば石巻。意外と流動があるのではないでしょうか?さらに、石巻から仙石東北ラインに乗れば仙台まで行けるので、南三陸〜仙台を乗り換え1回に抑えられます(現状だと最低でも柳津or前谷地,小牛田の2回)。一方で、前谷地,涌谷方面に向かう需要も(当然前谷地〜柳津の各駅から前谷地方面への需要も)ありますからそちらの輸送も必要です。こちらは柳津駅を改良(BRTの陸前戸倉〜柳津を専用道での運行にし、柳津では鉄道と対面乗り換えできるようにする)したうえで、鉄道で輸送しましょう。
<まとめ>
・現状を維持するなら鉄道は廃止してしまった方がいい
・鉄道とバスが対面接続できるように柳津駅を改良するべき
・鉄道を残すならBRTは石巻直通に
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