高山本線は串になれるか

笹津に宿泊した次の日、城端線に乗車するために高山本線に乗車してきました。富山〜越中八尾〜笹津は高山本線のなかでも市街地を走り、地域利用者も多いはずなのに、非電化でキハ120が1,2時間に一本走るという惨憺たる様なのが気になったからです。

ということでまずは笹津駅へ。なかなか新しい駅のように見えます。

どうやら駅のリニューアルをしたらしく、ホームへの跨線橋から旧駅の名残が見えました。

跨線橋への通路から。左側に旧ホームが見える。

実は1975年までは地鉄笹津線が当駅に乗り入れており、左側のホームはそれの痕跡と考えられます。現在でも笹津線とほぼ同じルートを走るバスは時間2,3本運転されているのですが、笹津線を残すことはできなかったものでしょうか。廃止されていなければ南富山で路面電車に直通し、LRTの先駆けとなっていたはずだけに、なおさら思います。

しばらく待っているとキハ120二両編成が到着。意外なことにもドアは手動です。とはいえ地元の人は手馴れたもので6人あまりさっさと乗って行きました。慌てて自分も乗り込み、1両目のロングシートをなんとか確保。以下の情報は全て自席から見える範囲での観察ですのでご了承ください。
東八尾は乗降ともゼロだったものの、越中八尾は八尾町の中心駅だけあって10人ほどの乗車があります(全部のドアが開いたので、編成全体ではもっとあったものと思われます)。ここから富山の近郊圏に入ったようで、千里で25人、速星で50人、とどんどん乗ってきます。車内も昼時の列車と思われない混雑になってきました。座席が全て埋まり、つり革の大体が使われている、というのは千葉の列車ではないような気がします。一方で降車も一定数あり、千里では3人、速星では7人が降りて行きました
富山市の交通政策で設けられた婦中鵜坂駅は降車1人,乗車8人に止まり西富山(降車3人、乗車11人)よりも少ない結果となりました。新駅にしては健闘していると言えるでしょうか。
 列車はポイントをガタゴトと渡って富山駅に到着。溜まりに溜まった乗客が一斉にはけていきましたが、あいの風線に乗り継いで東に向かう客も多いようです。

今回乗車してみて、需給のバランスが合っていないのではないかと強く感じました。現状、富山から越中八尾までは1時間間隔、猪谷までは2時間間隔となっていますが、乗降量を見ている限り少なくとも八尾までは増発ないし増結を行ってもいいと思います。

そこでなのですが、富山〜猪谷をあいの風鉄道か富山地鉄に移管してみてはどうでしょうか。すなわち、JR西日本は高山線の運行から撤退するのです。現在、高山本線には特急(ワイドビュー)ひだが走っており2時間に1本富山駅にも乗り入れていますが、こちらはJR東海の運行なので問題ないでしょう。もしもJR西日本が高山線の運行から撤退し、特急はJR東海、普通列車はあいの風鉄道、という棲み分けができたなら、欧州の国鉄民営化と同じような方式となり、日本の鉄道業界に新たなモデルを示すことができます(この場合、下部インフラは富山県が保有するのが妥当でしょう)。
普通列車は今まで通りキハ120で運行してもいいですが、それなりの増発をするならば富山〜越中八尾を電化して521系を投入することも考えられます。電化費用はかかりますが、あいの風線と共通運用になるため保守の面でもプラスです。八尾以南はさすがに非電化のままですが、JR九州が開発した交流蓄電池車を投入すれば乗り換え抵抗を増やしません。富山〜猪谷は1時間弱なので日中に関して言えば1本だけで済みます。

ところで、電化&蓄電池車投入は完全に僕の妄想なのですが、実は普通列車の運行を私鉄が行う、というのは前に佐伯宗義という方が提唱されています。それも戦前に。時代を先取りしすぎだろ、と思うのですが、以前から提唱されてたことならなおさらできないことはありません!(笑)富山市はコンパクトシティ化を進めるために富山港線、市内電車、北陸本線と公共交通のテコ入れを図ってきました。そろそろ高山本線のテコ入れを行ってもいいのかな、と思います。

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