房総ローカルGO! 観光鉄道、い鉄

いすみ鉄道の駅はJRの傍にちょこんと建っている。駅舎は以前来たときに撮ったので、中に入ってお土産品を物色。コーラやオレンジジュースはいまどき珍しい瓶入り。まあ、国鉄型気動車による急行にはこちらがピッタリであろう。

急行券を購入し、ホームへ。なんと列車がホームからはみ出している。 しかも、2両編成中2ヶ所しかドアが開いていない。ホームからはみ出しているところはともかく、駅舎から一番近いドアが開いていないというのはどういうことなのだろうか?

指定席代をケチって キハ52に乗り込むと、大糸線時代の運賃表や路線図が貼られている。吊り広告も東海道新幹線ひかりの停車駅追加を知らせるものだったし、好きな人にはたまらなそうな物ばかりだ。扇風機にもJR西日本のマークがある。

 ボックスシートに一組ずつお客を入れ、発車。モーターの唸りが聴こえる。やっぱりいいな…

コーラ買ってないだって…?気のせい気のせい…

旧型の気動車だけにじっくり加速していく。一度乗ったことがあるのに流れる景色がとても新鮮に思える。JRと別れるカーブを曲がりきり、国道と並走をはじめ、いよいよこれから!と思った矢先、急に減速し始めた。停まるんじゃないかというくらいに。
西大原駅だった。西大原を過ぎてもスピードは一向に上がらず、国吉に停車。ここで9分も停車する。大原と同じように編成に4箇所あるドアのうち、中央の2箇所しか開かない。なるほど、客は中央のドアから乗降せざるをえないから、車掌がむやみに移動せずとも検札をできるのだ。銚子電鉄であの激務を見たあとだとなおさら思う。もっとも、銚子電鉄でこれをやったら乗降に時間がかかりすぎて遅延が多発してしまうが。

国吉を発車してものんびりとした走りは抜けない。試しに急行区間(大原〜大多喜)の表定速度を出してみると25.8キロ。宮脇俊三氏が『最長片道切符の旅』の中で40キロ台の急行を「なんと遅い」と形容しているのに昭和の急行とはいったいどういうことだろうか。いや、それどころではない。この列車の普通区間(大多喜〜上総中野)の表定速度28.4キロより遅い。国吉での9分停車を除けば34.1キロだが、上総中野で接続する小湊鉄道の列車が33.0キロだから気休めにもならない。観光列車だからスピードを求めていないのは十分承知だが、昭和の急行、と称するならもう少しスピードアップしてもいいように思う。

大多喜からは普通列車になるのでキハ28のほうに移動してみる。 
キハ28はレストラン・キハに使われるため、ボックスシートの片側の座席を潰してテーブルを設置している。

先ほどと同じアングルで

ドリンクホルダーがあるのには好感を持てるが、これではせっかくの栓抜きが台無しだ。
というか、外を見ようとしても柱が邪魔をして足の置き場がない。

なんだかな…
水戸岡デザインならそれくらい考えるよ?と思う。旧型気動車につけるためにかなり無理してるのだろうが…

秘境駅久我原を過ぎ、総元に着く。じつはここから未乗区間だ。以前、いすみ鉄道に乗りに来たことはあったが、そのときは脱線事故の影響で総元~上総中野は運休していたのだ。

未乗区間も平板な田舎が続き、終点上総中野に到着。ただでさえ古い駅なのに古い車両がやってきているからタイムスリップしたような印象を受けた。

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