深夜便

22時過ぎ、苫小牧西港フェリーターミナルにやってきた。今回はここ苫小牧を深夜に発ち、翌夜大洗に着く、さんふらわあの深夜便に乗船する。

1時30分出航なのにずいぶんと気の早いことと思われるかもしれないが、公式には22時半ごろまでに乗船手続きを済ませるよう求めているのだ(実際のところ徒歩乗船ならもっと遅くても問題ないようだが)。

大洗行きの乗り場は待合室を出たところにある。先の見通せない通路には灯りが点いておらず、いつから乗船できるのだろうと思っていたが、ゲートが開いているあたり、もういけるらしい。恐る恐る入ってみるとパッとライトが点灯した。


すっかり明るくなった通路に人気はなく、こんな注意書きまであるので進むのを躊躇してしまう。とはいえターミナルに残っていても仕方ないし…と思い直して船に乗り込んだ。


深夜便は現状カジュアルルームのみのモノクラス。4人1組の相部屋だが当然のように貸切だった。

風呂など済ませているといつの間にか0時になっていた。隣のバースから八戸行きの〈シルバーティアラ〉が出航していく。こちらの出航まではまだ1時間半もあるが、そんなに夜更かししても仕方ないので就寝した。


翌朝は9時前に起床。岩手県沖まで来ているようだ。

軽く潮風を浴びたところで朝ごはんにしよう。上の階にはサロンがあり、冷食やスナックの自販機が並ぶ。

それにしてもクリーム状のメニューが多いような気がする

まずはカルボナーラをチョイス。濃厚でなかなか美味しい。

食後は展望室でまったり。良い眺め。

それにしても天気が良すぎる。今だけは何もかも忘れていい。

部屋でごろごろしたりデッキに出て海を眺めたり…とやっていたら船は金華山沖を過ぎていた。仙台湾を突っ切るためしばらく陸地とは離れてしまう。

そんなわけでまたひと眠りしていれば早くも船体が黄色く染まり始めていた。

西の空に陽が沈む。

辺りが宵闇に包まれれば我が旅路も終わりだ。最高の航海だった。


深夜便はこの春に新造船の就航が決まっている。新造船も楽しみではあるが、この雰囲気は唯一無二。ぜひ消える前に乗ってほしい。

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