佐世保湾を霧裂いて

まだ夜の明けぬ朝6時過ぎ、佐世保港の新みなとターミナルを訪れました。上五島行きの九州商船が使用する鯨瀬ターミナルに対して、こちらは主に近距離の航路が発着します。

ターミナル内には各社の窓口が並ぶものの、この時間ではさすがに開いておらず、乗船券は船内で購入する形のようです。思いのほか人がいると思ったら、大島行きの西海沿岸商船に吸い込まれていきました。

そんな西海沿岸商船〈Rapid Lily〉と入れ替わりでやってきたのは瀬川汽船〈さいかい〉。今回はこちらに乗船します。

ところがここでハプニング。本来この便は佐世保→川内→畑下→小郡→横瀬西→佐世保と、西彼杵半島の各集落を巡回するのですが、この日はエンジン不調のため横瀬西に直航し、そこで船を交換するといいます。

とはいえ、ここまで来て乗らない選択肢はありません。私1人を乗せた船は颯爽と港を離れました。

客室は後部が一段下がっていて、その後ろからデッキに出られます。

寄港地の多い(多かった)航路ゆえ、乗船口横には次の寄港地を知らせるランプが設置されています。

出航するや、辺りは一面靄に包まれて何も見えなくなりました。船のエンジン音だけがけたたましく鳴り響きます。エンジン不調のせいか、デッキに立っているとブルブル振動が伝わってくるので、仕方なく客室内で過ごすことに。

ふいにエンジン音が落ち着いたので外へ出ると、港の明かりが現れました。

西彼杵半島の先端部に位置する横瀬西港。西海橋経由でも佐世保まではクルマで4-50分ほどかかるようです。佐世保湾を突っ切ってわずか15分で結ぶ瀬川汽船のインパクトは絶大でしょう。

靄に包まれた港町。深入りすると帰ってこられなさそうです。

桟橋付近をウロウロしていると、ふいにバスが現れました。板の浦から西彼杵半島の先端部を時計回りに大串まで走る便のようです。船への乗り継ぎがあるのかと思いきや、逆に待合室にいた学生1人を連れて走り去ってしまいました。

7時を回ったところで帰りの船に乗り込みます。代船の〈せがわ〉は〈さいかい〉よりひと回り小ぶりな感じ。普段は午後の便を担当しているようですが、今日は朝からフル回転です。

とりあえずデッキに上がったところ、目を見張る光景が飛び込んできました。ひっきりなしにクルマが現れては高校生を下ろしていくのです。

最終的に乗客は60人あまりに。客室は通路も埋まり、デッキにまで人が流れてくるほどでした。朝の便を〈さいかい〉に任せるのも納得です。といいつつ実は〈せがわ〉と〈さいかい〉は定員同じらしいですが

出航すると瞬く間に桟橋が靄の中に消えました。あの光景は幻だったのかと錯覚しそうになります。

佐世保の街が近付いてきたころ、ようやく東の空に太陽が姿を現しました。

佐世保港はもう目の前です。

九州商船〈フェリーニューこしき〉
名前の通り、元は鹿児島の甑島商船にいた船です

桟橋に目を移すと、ミチミチに行列ができていました。ざっと100人近くいるでしょうか。大島行きの西海沿岸商船を待つ方々のようです。大島にある大島造船所への通勤輸送は西海沿岸商船の生命線となっています。

時刻表上はこちらが到着する3分前に出航しているはずですが、どうも遅れていたようで我が船の後を追うように入港してきました。

下船客の大半は佐世保駅の方へ歩いていきました。新みなとターミナルからは7:40に佐世保商業高校行きのバスがあるのですが、このバスではカバーしていない高校へ通っているのか、あるいは15分待つくらいなら佐世保駅前から別のバスに乗るということなのでしょうか。


運航:瀬川汽船
区間:佐世保~横瀬西(~川内)
本数:平日11往復/土休日9往復※川内発着は朝夕1便ずつ
※情報は2026年2月乗船当時のものです※

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