乗り方の変わるバス

幕張ベイタウンに設置されているとあるバス停。行先がテープ張りにはなっています(以前海浜病院を経由して新検見川駅まで向かっていた名残です)が、それ以外はいたって普通のバス停に見えます。

ところが…

時刻の欄を見ると、朝ラッシュの何便かには※印がつけられています。これはいったい何でしょうか?

ということで下の注を見ると、当路線はふつう中乗り後払いのところ、※印は前乗り・先払いのバスを表すのだと。つまり、同じバス停に来る同じバス会社の同じ路線でありながら、時間帯によって乗り方、さらには運賃収受方法までもが変わってしまうというのです。もはや初見殺しのレベルを超えています。

この摩訶不思議な事態が発生している理由は反対側のバス停に行けばわかります。

時刻表の下の方を見ると「無印…新検見川駅行 ※印…海浜幕張駅どまり」「新検見川駅行…中乗り後払い 海浜幕張駅行…前乗り先払い」とあります。要するに行き先によって乗り方が変わるわけです。
千葉海浜交通では団地路線を多く抱えていることからターミナル駅での降車時間短縮を狙って、ほとんどの路線で運賃を170円均一とし、前乗り先払い制を採用しています。しかしながら、一部の長距離路線については均一運賃ではさすがに安すぎるので対キロの変動運賃として不正乗車防止の観点から中乗り後払い方式をとっています。
このベイタウン線はもともと海浜幕張駅と海浜病院を結ぶだけのミニ路線で均一運賃だったため前乗り先払いでしたが、2016年のダイヤ改正で新検見川駅へと延伸され、変動運賃・中乗り後払いとなりました。ところが、朝ラッシュ時に残された海浜幕張駅〜海浜病院の区間便については海浜幕張駅での降車時間短縮を図ったのか前乗り先払いのままとされたのです。

とはいえ前後の便で乗り方が変わるというのはにわかには信じがたい話。実際に現地で確かめてみます。

まずは日中と同じく中乗り後払いの新検見川駅行き。

たしかに中扉が開きました。

問題はここから。次の便は海浜幕張駅行きで前乗り先払いのはずです。

オオッ!

たしかに前扉に入口の表記があり、乗車客が前方に向かっていきます。本当に乗り方が変わった…。

海浜幕張駅に到着して乗客を吐き出すと、バスは海浜病院に戻っていきます。再び海浜幕張駅行きとして大勢の通勤客を運ぶのです。とはいえベイタウン循環に比べれば遥かに乗客は少なく、中乗り後払い方式でも事足りそうな気がします。

※2019年3月31日のダイヤ改正で海浜幕張駅~海浜病院の区間便は消滅し、当路線は中乗り後払い方式に統一されました。※

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