神岡軌道笹津駅周辺

神岡軌道。廃線好きの方なら1度は聞いたことがあるだろう。神岡の鉱山から資材を運び出すために建設された鉄道で、戦後は地方鉄道として地域輸送にも一役買ったが、国鉄神岡線(三セク化されて神岡鉄道となり2007年に廃止)の開業に伴い廃止された。神岡軌道の遺構で一番知られているのは猪谷駅近くの橋梁跡(橋台)だ。
ちょうど富山を訪れていたとき、近くに何か廃線はないかと探していると、猪谷に超巨大な橋台が残っているという情報を発見し、シンプルに行きたいと思ってしまった。だが、今回は時間の都合上その橋台を探索することはできない。ありがたいことに、今自分がいる笹津駅は巨大な橋台を抱える神岡軌道の起点だったので、この近辺の探索でお茶を濁すつもりである。もっとも、神岡軌道の笹津〜東猪谷の廃止は国鉄飛越線(現在のJR高山本線)が開業した1931年で、件の橋梁が廃止される30年以上前のこと(橋梁の廃止は1967年)だから、笹津駅周辺に遺構が残っている可能性は薄いと思うが…。


(探索日:2017年1月9日)

 笹津駅を訪れるのは2度目である(別記事参照)。とはいっても前回訪問からさして時は経っていないのでさすがに変化は見られない。神岡軌道はここから神岡を目指し南下していたはずだが、駅の改良工事のせいか面影は全く見てとれない。並行する道路はすぐに折れ曲がってしまい、詳しく調査することはできなかった。
しかし、実のところあんまり落胆していない。先述の通り遺構は失われているだろうと思っていたし、この少し先にもっとはっきりした遺構があるはずだからだ。というのも、神岡軌道は神通川の右岸に取り付く過程で越中街道(ここでは県道69号線)を越えねばならず、そこそこの橋梁が存在したはずだ。その地点を探してみよう。

県道69号線は笹津駅を過ぎると川の高さに合わせてグングン下っていく。そこそこの通行量があるにもかかわらず1.5車線(当然ながら歩道などない)なのでチョット怖い。怪しい奴じゃないから撥ねないで…。
車に注意しながら下っていくと一軒の古い家を見つけた。

うわ…家が岩にめり込んでるよ……ってこれ

きょ、橋台!?

うん…反対側にも同じ高さの土地が見えるような気がする…。ついでに橋台の痕跡っぽいのも。

橋台の傍に小径があるのでそちらを進んでみる。それにしても立派な橋台だ。いや、橋のことについては全く知らないのだが。

横から

うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁ石垣だらけ…。

どこ通ってたんだろ…?高さ的には2段目がしっくりくるような気がするけど…。

いや…、違う…?わずかに残ってる2.5段目か…?

石垣の上は民家の畑になっていたので調査は諦めた。その先にも回ってみたが、住宅地のど真ん中でどの辺りを通っていたのかはよくわからない。住宅街を抜けると国道を跨いでなおも神通川の右岸を進む。位置的には今通ってる道路がちょうど軌道跡なのかな…

 ちなみに国道を渡ったところから水路がくっついてきている。神通川第二ダム関連の施設なような気がするが、もしかすると軌道跡はこちらかもしれない。あるいは、水路に並行して軌道が敷設されてたとか…。

この先、車道は国道41号線から分岐した県道188号東猪谷富山線(猪谷ではなく東猪谷なあたり神岡軌道っぽさが出て良い)と合流するため下っていくが、左側に下っていかない平場を発見した。

奥の方には石垣も…

まだまだ先は長そうだが、時間の都合上探索はここまでだ。

正直、次に来る機会があったとしても、とりあえずは東猪谷以南を優先してしまう気がする。ヨッキさんは神岡軌道第二次探索で笹津から東猪谷まで探索されているそうなので、そちらのレポート化を望みたい(レポート化されてないから探索がちょっとばっかし楽しくなったのはヒミツ…)。

長ったらしい文章を読んでくださりありがとうございました。

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