房総特急こそ全席指定化すべきではないか

2014年3月のスワローあかぎ運行開始を皮切りに首都圏JR特急に広がる全席指定化の波。賛否両論ありますが、個人的には合理的な制度であり推進していくのが望ましいと考えています。ところが私の地元(?)房総の特急群には全席指定化の話はなかなか聞こえてきません(いちおう何かの資料にちらっと載っていた気はしますが、具体的な話では全くなかったと記憶しています)。私からすると房総特急こそ全席指定化に向いているのでは…なんて思うのですが…。

というのも全車指定席特急の料金体系は房総特急さざなみ・わかしおに実にマッチしているのです。

全車指定席特急の特急料金(以下便宜上「スワロー料金」と呼称)は基本的にB特急の自由席料金と指定席料金のあいだに設定されています。自由席料金からは値上がりになりますので顰蹙を買っているわけですが、料金表を見ていくとスワロー料金の値上がり幅は一定でないことがわかります。

自由席料金と比べて、~50kmでは+240円、~150㎞では+210円なのに対し、~100㎞ではわずか+70円なだけです。なお、~200㎞では+470円、~300㎞からは指定席料金すら越えてしまっていますが、これはそれほどの距離でB特急料金適用となる事例が少なく、対A特急料金にシフトしたためでしょう。事実、常磐線特急でB特急料金適用となる最大は品川~勝田の133.7㎞、中央線特急での最大は千葉~竜王の174.7㎞です。

話が横道にそれてしまいました。
わかしおの需要のメインは東京と蘇我以遠、特に茂原のあたりを結ぶものです。 東京からの営業キロは海浜幕張・蘇我が50km以内、土気~大原が100㎞以内、御宿から先が150㎞以内。茂原をはじめとする需要の中心が、スワロー料金と自由席料金の差額が最も小さい50km~100㎞にちょうど収まっているのです。
さざなみの場合はさらに顕著で、蘇我を除く各駅(といっても五井、姉ヶ崎、木更津、君津の4駅ですが…)が東京から100㎞圏内に入ります
需要の中心が値上がり幅の小さい区間に収まっているとなれば全席指定化しても非難が出にくいはず。ここを全席指定化しないでどこをしろというのでしょうか。

高速バス等の台頭に伴う減便で車両が余剰となっている房総特急。これを逆手にとって全席指定化に向けての準備工事を行うとよいと思っていましたが、いつしか時は流れ257系は踊り子への転属が迫る状況。全席指定化はいつ入るかわからない新車の導入までおあずけになりそうです。もっとも、それまでに房総特急が全廃されるというシナリオもじゅうぶん考えられますが…。


ちなみに、150㎞まではB特急の指定席と自由席のあいだになるようスワロー料金を設定しているので、A特急と比較するとスワロー料金が自由席料金と同額または安くなっています。値上げだ値上げだと叫ぶばかりでなく、こういった点に着目して新たな料金体系を上手に使っていくのが賢いのではないでしょうか。

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