富山県高岡市・射水市を走る路面電車“万葉線”は、乗客の減少から運営する加越能鉄道が廃止の方針を打ち出し、第三セクターの万葉線に引き継がれることとなりました。他の路面電車と同じく超低床車も導入されていますが、実は高岡市の人口は路面電車の起点の人口としては日本最小。なぜこうも他都市と同じように振る舞うことができているのでしょうか。
北口デッキにやってきたらちょうど電車が信号待ちをしていました。妙におさまりが良い印象を受けますが、それもそのはず。実は2014年3月まではここに高岡駅前電停がありました。
地下道を出てすぐのところで、こちらでも利便性は悪くないように思いますが…
新しいターミナルがこちら。まるで地方電鉄を思わせるような小さくもしっかりした空間です。
ただ、入口がこんな感じだったのでしばらく見つけられず右往左往してしまいました。駅前広場に寄り道していなければ見つけられたのでしょうか。
12:30 高岡駅発。7人乗車。土休日の車内放送は高岡出身の落語家、立川志の輔さんの音声。レトロな電車によく似合います。
12:33 片原町着。1人乗車。
12:37 坂下町着。1人下車。ここで一旦下車して高岡の大仏を見に行くことにします。
と、歩道へ渡ろうと思ったらバスが高速で走り抜けていきました。安全地帯があっても危険は残ります。
5分ほどで大仏が見えてきました。三大大仏のなかでは最も知られていないでしょうが、実際行ってみるとなかなかの存在感です。
こんどの電車はドラえもんトラム。時刻表に運行便が掲載されているため観光客で埋まっています。こちらでは志の輔さんのアナウンスはないようです。
13:06 坂下町発。3人乗車。
13:08 急患医療センター前通過。
13:10 広小路着。1人下車。
13:12 志貴野中学校前着。6人下車,2人乗車。
13:13 市民病院前着。2人乗車,6人下車。
13:16 江尻着。4人下車,1人乗車。
13:17 旭ヶ丘着。1人下車。
13:19 荻布着。乗降なし。普通のLRV(通称赤桃)と交換しました。
13:20 新能町着。4人乗車。
13:21 米島口着。3人下車。ここで道路から離れ我が道を歩み始めます。
13:24 能町口通過。
と思ったらすぐにまた道路上に復帰してしまいました。
13:26 新吉久着。2人下車。交換設備のある駅はどこも窮屈です。
13:29 吉久着。1人下車。
13:32 中伏木通過。
13:35 六渡寺着。乗降なし。もとは新湊と呼ばれたこの駅からは法律上鉄道となります。とはいえ、ひとつ前の中伏木から併用軌道ではなくなっているため境界の印象はありません。
13:37 庄川口着。1人下車。庄川を渡った後で庄川口かと思われるかもしれませんが、これは当線が元々富山側から敷設されたためでしょう。ひところは富山市街の西町から新湊を経由して高岡まで直通運転が行われていました。先ほど新吉久で見た保存車はそのときの車両だそうです。
13:39 西新湊着。1人下車。
13:41 新町口着。2人下車。
13:43 中新湊着。1人下車。
13:45 東新湊着。1人下車。
13:47 海王丸着。7人下車。
13:49 越ノ潟着。意外にも乗りとおす客が多く数え損ねてしまいましたが、15人くらいは下車したでしょうか。折り返しにも10人ほど乗っていきます。
米島口までの併用軌道区間と庄川を越えた先の新湊市街でコンスタントな利用が見られるように、万葉線は市内電車の性格と郊外電車の性格を兼ね備えています。市街地区間だけ併用軌道の郊外電車は阪神をはじめ日本のお家芸ともいえるスタイルでまさにLRTの先駆け。レトロ電車がとことこ走る姿はどこかバタ臭い感じもありますが、実は万葉線こそLRTと呼ぶにふさわしい存在だったのです。
ただ越ノ潟まで13キロ弱で50分もかかるというのは郊外電車としてはさすがにのんびりでしょう。能町口~中伏木も道路から分離してスピードアップを図れるとなおよいのかなと思います。
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