勾配に任せて坂を下っていくといつの間にか岡部宿に着いていました。国道1号は交わらぬうちにバイパスとして別れていったようで、交通量もかなり落ち着いています。
旧道らしき脇道もさることながらメインの通りもいい雰囲気ですね。
葉梨川を渡った先で右折し、さわやか通りを進んでいくと、途中から歩道がアーケードで覆われるようになりました。藤枝駅まではまだ3~4㎞あるのですが、実はこのあたりこそ藤枝の(旧)中心街。それを証拠にこのあたりの住所は「本町」となっています。
さすがにアーケード街は賑わっていませんが、かといって寂れきっているわけでもありません。このあたりは東海道の底力なんでしょうか。
アーケード街の裏手にある蓮花寺池公園のポートで自転車を返却。所要時間は2時間3分でした。明治トンネル以外でも道草ばかりしていましたから2時間を切るのは容易でしょう(頑張れば藤枝駅まで2時間で行ける…?)。
名前からなんとなくちんけな公園を想像していたのですが、池の周囲にはかなりの人出。この地域の方にとってはけっこうメジャーなレジャースポットのようです。
ここに立ち寄った理由は他でもありません。園内の郷土博物館で駿遠線廃止50周年を記念した特別展が開催されていたのです。
駿遠線の展示も見ごたえのある内容でしたが、より圧倒されたのは同時に開催されていた原信太郎の鉄道模型展。或る列車をはじめ原氏の製作した模型がズラリと並んでいます。正直、一介の市の郷土博物館だろと舐めてかかっていたのですが、まさかこんなに立派だとは…。閉館間際の30分ばかりではとても見きれませんでした。願わくば改めて訪問したいところです。
帰りの電車の時刻も近付いてきているのでそろそろ駅へ向かいます。料金がちょっとお安いこともあって藤枝の車両を選択し、PULCLEはここに置いていくことにしました。このあとどうなるんでしょうね…?
長楽寺通りと名前を変えたアーケード街をスルーし、一本南の通りにやってきました。何を隠そうこの通りこそ駿遠線の廃線跡なのです。
藤枝本町駅があったという正面の交差点から先はサイクリングロードとして整備されています。
瀬戸川を渡った先、正面にはいかにもな道路が続いていくのですが、サイクリングロードは左に折れ曲がってしまいます。これは国道1号線(現:静岡県道381号線)の改築に伴い以南でルート変更がおこなわれたため。正面の道路は旧ルートでこの先しばらく行くと途切れてしまうようだったので、素直にサイクリングロードを辿ることにしました。
電車の時刻が迫りつつあったのでサイクリングロードを辿るのも諦め駅へ。新藤枝駅周辺は区画整理によって痕跡が失われているようですが、その手前のあたりはまだまだ三島氏を連れて再履修したいところです。
藤枝駅前のポートにはなんとPULCLEの姿がありました。いくら隣町とはいえまだサービスから間もないうちに20キロも離れたところまで自転車がやってきているとは驚きです。思い返せば千葉に初めて東京の車両がやってきたのも1ヶ月経たないくらいだった気がしますがいやしかし…。
実を言うと蓮花寺池公園でぶらついているときに目の前を横切っていくPULCLEの姿を見てはいました。跨っていたのは中年の男女(たぶん夫婦?)。およそ自転車愛好家とも思えない格好の二人がこうして自転車を輸出しているところを見ると、静岡藤枝間のシェアサイクルの流動はかなりのものになると思われます。
丸一日PULCLEを乗り回してみましたが、6月中は30分以内の利用が無料だったこともあってかサービス開始間もないとは思えぬほど利用されているように見受けられました。今後の規模拡充に期待が高まるばかりです。
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